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新型コロナウィルスが法律事務所のバックオフィス業務に与える影響

Aug 28 2020

当社はここ数か月間、グローバル法律事務所の役員や担当者とオンラインセミナーを通じて様々な課題やご要望を頂いてきました。新型コロナウィルス感染拡大によるリモートワーク下において各社から頂いた課題で共通していたこととは、リモートワークに適したアソシエイト(サポート)スタッフの人員配置及びコストの合理化について真剣に再考せざるを得ない状況になっていることでした。

「秘書と弁護士比率」最適化に挑む

新型コロナウィルスによって、法律事務所は半恒久的にリモートワークを行える“たてまえ”を得た一方、リモートワークへ移行することで弁護士/パートナーはこれまで秘書が行っていた業務も自身で行うようになりました。その結果、業務量が激減したアソシエイト(サポート)スタッフの人員削減をどのように検討すべきか、お声を頂くようになりました。

こうした人員最適化の課題に対処するため、法律事務所は“組織のスリム化”を再考しています。当社の調査によると、約77%の経営者が管理部門におけるコスト削減を目標としていることが分かりました。

業務インパクトを最小限に留めコスト削減を推し進めるには、秘書を含むアソシエイト(サポート)スタッフの雇用が重要なカギとなります。PwC社が実施した統計調査によると、業務の中で最大の費用の1つが秘書業務であり、1タイムキーパーあたりの平均費用は18,543ドルであることが明らかになりました。

理想的な秘書と弁護士比率は1:4(秘書1名が4名の弁護士/パートナーをサポートする)と言われてきましたが、管理部門の人員数を適正にすることで、以前の比率より高い結果を得ることが出来るのです。

以前はこの比率を高めるために新しいツールやテクノロジーを導入し、リソースを最大限に活かす対策を講じてきました。

サポートスタッフを削減することで、短期的なコスト削減につながりますが、それは同時に生産性の低下とクライアントに対する細やかなサービスを犠牲にすることを意味します。秘書と弁護士比率に注目することは重要なことでしょうか?

“人”から“業務”のサポートへ

デジタル化が進む世界では、昨今多くの業務がテクノロジーによって支えられています。相対的に賃金が安いアソシエイトスタッフはこのようなテクノロジーに適応能力が高い反面、経験が長い秘書は同等のパフォーマンスを出しているのでしょうか。結論を言えばサポートスタッフ人員を減らすことが手っ取り早い方法です。弁護士が積極的に自給自足できる体制がすぐ身近にあれば、サポートスタッフ数を見直すことで可能です。

弁護士をサポートするアソシエイトスタッフが減ることはファーム内での対応業務量が減ってしまうことではありません。実際、稼働率の統計によると(秘書と弁護士比率)比率の増減でサポート量が変わる訳ではないことがわかります。

例えば、(秘書と弁護士比率)1:8の比率と回答した企業と仕事をしたことがあるのですが、活用状況を詳しく確認したところ、1人か2人のパートナーだけがサポートを受けられており、1~3年目のアソシエイトの多くはサポートが受けられておらず、パートナーとアソシエイトの間には理解の相違が発生していました。

オンラインサポートは「誰が、何を、どのように、そして、いつ実行するか」という単純なロジックの下、人ではなく業務のサポートを行うことから、適切なリソースで日々の業務サポートが可能となり、サポートスタッフは顧客とのコミュニケーションや顧客案件活動へのサポートに集中することが出来ます。

当社はある大手法律事務所においてオンライン・アシスタント・サービスを導入しました。当初、ベテランスタッフがシニアパートナーだけをサポートしていました。我々はオンラインサポートチームを構築し、170人以上のアソシエイト(1:22.5の比率)をアメリカのWheelingからサポートしました。1年後、アソシエイトに専属秘書を付けようとしたところ、全員が不要と答え我々のサポートチームを活用することとなりました。結果、弁護士の満足度が上がり、年間200万ドルの経費削減を達成することができました。

適切な判断基準

働き方が変わったことにより、法律業界全体で起きているパラダイムが変化しつつあり、秘書やサポートスタッフの役割も変わりつつあります

このようなことが起きれば、貴社に必要なサポートスタッフ数の算出基準も変わっていくでしょう。確かに秘書対弁護士比率は業務の効率を測るために重要な指標ですが、どんな業務にサポートが必要なのかを基準に入れる必要があります。これは人員削減だけが目的ではなく、ベテランスタッフのスキルを上げオンラインサポートとの棲み分けを明確にし、生産性の最適化を目指しています。

長く不変だった法律業界も変革が訪れています。この変化に乗り遅れないためには、新しい働き方に適応し適切なリソースを確保することが求められます。

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